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70年代後半、それまで圧倒的に主流だったFender系ベースに対抗して、新興メーカーによって、新しいデザインのベースが数多く発表された。B.C.RICHもそんなメーカーのひとつで、ディマジオのホワイト・トップのプレシジョン用のピック・アップを2個搭載したEagle Bassは結構評判を呼び、使用するプレーヤーも増えつつあった。
このSeagull Bassはそれほど評判を呼ばなかったもののその圧倒的な個性は俺にとって充分魅力的なものだった。

この楽器は79年に俺が初めて渡米した時に購入したものだ。
NANIWAのメンバーと意味もなくNYをうろついていたこの時、昼間の絶好の時間潰しは48丁目の楽器屋街であった。今でもそうだが、ホントにこのストリートには楽器屋が密集している。サンフランシスコほどではないにせよマイナーなガレージメーカーの優れものに出会える事もある。

Jazz Bassのオールドを眺めていた並びにこのSeagullがぶらさげてあった。 なによりこの楽器の薄さにはまず驚いた。24フレットまで何の抵抗もなくスッとポジション移動できる見事なカッタウェイも新鮮だった。Hi-Aのハムバッカーのノイズの少なさも当時としては出色していた。今となっては当たり前の事が俺の眼には何もかもが新鮮に映った。 $650ってのは当時のレートでは15万円くらいになる。
結局大枚をはたいてこの新鮮さをゲットしたわけだ。

Alembicに代表される当時のニューサウンドはとてもFender Bassでは出し得ないものだった。何しろベースの中に電池が入っているなんて事は当時まだ珍しかったのである。このSeagullにはアクティヴEQと言うよりはブースター的アンプが内蔵されていたのだが、より積極的なトーン・コントロールがしたかったので、帰国後STAR'Sと言うメーカーの2バンドEQに積み替えた。
これによってこのSeagullは戦闘能力を倍増し、ライトゲージを張る事により圧倒的な倍音で大活躍することとなった。
NANIWAの大宇宙無限力神の"9th Mountain High"や"Spot"ではこのベースの魅力が遺憾なく発揮されている。サウンドファイルも貼り付けてあるのでチェックしてもらいたい。

ちなみにこのベースは俺が使う前はJeff Berlinが使っていたらしい。







数多くの独創的なベースを少量生産しているAtlanciaのモデルの中でもこのPentagone は最右翼にあたるのではないだろうか? それまでもVictoriaやStylsなど5弦モデルは発表してきていたが、このPentagoneは 5弦専用モデルなのだ。

何より特徴的なのはネックのマウント法である。 通常の場合デタッチャブル・ネックと言うのはボディーと接触している10cmぐらいのところに太いボルト4本で固定されているわけだが、このベースは特に低音側には大きく張り出されたボディーからスペシャルなボルトで固定されている。すなわち低音側でのボディーとの接触面が圧倒的に多いわけだ。
これにより最低音のB弦の音をよりクリアーに出そうと言う狙いは見事に成功している。

もう一つの特徴はスケールの長さである。
Fenderスケールより更に1フレット分長いスケールはB弦のテンションを確保するのに非常に有効だ。相変わらずネックは太いが、これは各弦完全独立のテールピース一体のブリッジによるものである。二つのピックアップやネックの根元など普段右手の親指を置くところはあらかじめ指が置き易いようにくぼませてある。
どのベースも弾き込むとボディーがくぼんでくるものだが、このベースはどうやらその心配はいらないようだ。
ボディー上面に取り付けられている腕置きはスプリングによるサスペンションが付けられているといった凝り用だがこれはデザイン面でのアドバンテージ以外は関係ないようだ。

ヘッドの面積を極限まで少なくしている性で通常と違ったローテーションで配置されているペグに慣れは必要だが、Atlanciaの独創性を象徴しているようで面白い。3バンドのアクティヴEQも非常に使い易く、その出力の高さも最近のスタンダードと比較しても遜色のないものである。

とにかく木工芸術品としてのフィニッシュには文句のつけようがなく、Atlanciaの魅力が満ち溢れているのだ。
独創的なデザインのみならず、独自の硬質感を余す事無く発揮されているサウンドはMedicine BagのMedicin Juiceに収録されている"Almost Down"で楽しむ事が出来る。







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