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ジャズの発祥の地として名高いNew Orleansであるが、ここはとにかく食べ物が抜群なのである。とにかくウマイものがありすぎる。 たとえば空港のファースト・フードのガンボですら、そこそこの味付けがなされているのだ。つまりこの街は味覚に対する文化レベルが高いのである。 ガンボやジャンバラヤなどのケイジャン料理、スパイシーなフレンチといった感じのクリオール料理などがNew Orleansを代表する料理だろうが、やはりまずシーフードから攻めていきたい。 まずはクロウ・フィッシュだ。フィッシュといっても魚じゃあない。ある程度以上の年齢なら多分これを見て懐かしさすら覚えるだろう。まさにあのアメリカザリガニそのものなのである。これをスパイシーにボイルしてあるだけの料理なのだが、これが滅法ウマイ。皿から溢れんばかりに盛り付けられたクロウ・フィッシュの山に最初は戸惑うかも知れないが、気が付いたら、それはあっという間に残骸になってしまう。殻をはずしてプリンと湾曲した身を頬張りながら、あたまに詰まっているミソをチューッと吸い出す。 ミシシッピの恵みが口の中から全身に広がっていくようで感動すら覚える。 ザリガニと聞くと、泥臭いように感じるかも知れないが、これが全くと言っていいほど泥臭くはないのだ。皿に溜まった真っ黒な汁をみるとやっぱりこれって泥なのかな、などとも考えたりするがこれがウマイんだからどうしようもない。これでようやくNew Orleansに来た事を実感できるのだ。 今回は山岸潤史、Conell Williams両人が大推薦するUgleschich'sと言うレストランに連れていってもらった。まあ、治安がボロボロなエリアなので昼間しか営業していない店なのだが、Stevie Wonderなどの大物がシークレット・パーティーを開くほどのツワモノなのだ。 ここの名物アペタイザーにFried Green Tomatosがある。 熟していない緑のトマトに衣を付けてさっと揚げたものにマスタード・ベースのクリオール・ソースがかけてあって、ボイルしたエビがトッピングされていると言った代物なのだが、これがやたらに後を引く味なのだ。 歯ごたえもさることながら、トマトの風味に交わっていくソースの複雑さは、この街が生み出してきた複雑なシンコペーションから成り立つ独自のGROOVEを彷彿させるものだった。 ここの料理はそのほとんどがオリジナル・レシピを持つものなのだが、その中でも私が一番気に入ったのは、その名もVoodoo Shrimpと呼ばれる一品だ。 エビを野菜と一緒にスパイシーなソースでソテーしたシンプルな料理ではあるのだが、これが底抜けにウマイのである。久々に言葉を失う真っ白な時間に遭遇してしまった。とにかく他にはない味で、しいて言うならば、私はかなり程度のいい四川料理に合い通じる何かを連想してしまった。 シーフードを腹一杯積めこんだ後、私はConellに誘われて彼のバスケットボールチームの練習に参加することになった。それでなくても久々のコートである。胃袋にぶち込まれた至極のシーフードが私の足を止めるのに5分もかからなかった。 最後まで元気にコート狭しと走り回ったConellはタオル片手に笑いながら言った。 「次はバスケットの後で食いに行こう。」 |
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