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是ちゃんの25周年アニバーサリーライヴの一環で行われたブルース&ファンクセッション。
何と言っても京都を代表する
恐怖の格闘家ギタリスト西やんとのバトルには期待が持てた。

かつてはカツアゲの名手として京都中を恐怖に包み込んだ西やんも、現在は立派な格闘家として社会に貢献している。
事実彼は趣味で空手をやっているわけではなく、正式に
自らの道場を持っており、今でも週2回は必ず稽古をつけているのだ。たとえツアー中であっても旅先から一瞬京都に帰ってこれを続けている彼の姿勢を見るに、どちらが本職なのかと言う質問は意味をなさない。
とは言えフルコンタクトのスタイルはリスクが大きく、包帯を巻いてのステージも何度かご一緒したが、やはり痛ましい。

軽快なシャッフルで幕を開けたわけだが、1曲目が終わっての是ちゃんのMCは少し長めになりそうな気配だった。「ウッ、これはマズイ!」と俺が感じたのと同時に西やんはギターをおろしてスタンドに立てかけてしまった。
両手を身体の前に合わせて合いずちを打っている。既に
漫才師のモードに突入してしまったのだ。
実は彼はブルース界の横山やすしとも言われているぐらいの名人で、このモードに突入してしまうと、収集がつかなくなってしまうのだ。スローペースで徐々に調子を上げていこうと考えた是ちゃんの作戦は見事に裏目に出 たわけだ。
俺としては西やんの唄やギターもさる事ながら、彼の抜群のスピード感あふれるMCもたっぷり楽しめるわけで、こみ上げてくる笑いをこらえながら必要に応じてツッコミを入れる事に終始した。

ギターの二人のみならず、今回は旧友である堀尾くんや佐伯くんとも久々に演奏できたのは嬉しかった。久し振りに音を出してもドキッとさせてくれる瞬間があるのはお互いやり続けてきててよかったね、と改めて感じる。
是ちゃんの25周年ながら西やんのペースにはめられてしまった俺は遂にリードボーカルまでやらかしてしまった。
俺が70年代中期にやっていたSyndicate Chapter時代のオハコだったルイ・ジョーダンの"キャルドニア"だ。
そう言えばあの頃の俺ときたらブルース以外は一切興味を示さないほどのマニアだったんやなあ、などと
原点を想い出させてくれるセッションだった。
そう言えばそのSyndicate Chapterの演奏が収録されている8・8ROCKDAYのライヴアルバムが発売されてからも、もうすぐ25年経とうとしているのだ。






初日 トリプルアルト大忘年会
土岐さんプロデュースによる名物イベント、前回は若手中心で展開されたが今回はオリジナルメンバーの坂田明、伊東たけし両氏に参加してもらった。
ベテランとは言え毎回やるごとにバージョンアップを続けている御三方がそろうとさすがに濃ゆい。土岐さんと坂田さんがお互いのアルトを交換して吹き比べるなどと言う珍しい光景もはさみながらサウンドチェックがスタートした。
チェックを始める伊東さんにいきなり坂田さんがツッコミを入れる。
「コイツは音がデカイから、もっと絞っといて。俺は態度がデカイだけだから。」

それにしても今回も最年長である坂田さんのバージョンアップ度が群を抜いていた。
リハ前に彼がNYでビル・ラズウェルのスタジオで録ってきたブツを聴かせてもらったのだが、これがなかなかいわゆるMaterial系のバックトラックにに堂々と民謡が乗っかってると言ったとてつもない出来なのだ。
アイデアもさることながら広島人、いや地球人坂田明ここにありと言った素晴らしいボーカルとサックスがそこにあった。
グローバルという言葉が意識されてかなりの時間が過ぎたとは思うが、それをはっきりとした形で実践されている坂田さんの存在とアティテュードに改めて感心させられた。

トリプル・アルトの演奏はMedicine Bagとの息もより一層深く絡み合い、時としてバンドを感じさせる事もあった。
そろそろ形に残してもいいんじゃないかな。
こう感じたのは俺だけじゃないだろう。


中日 年末ジャンボギターくじ
トリプル・アルトもそうだが、土岐さんは異種格闘技が好きである。
これが企画倒れにならないところに彼のセンスを感じる。
今回の三好"3吉"功郎と佐橋佳幸のふたりも活動フィールドもプレイ・スタイルもまったく違う。事実ふたりはそれまで顔を合わした事もなかったのだ。
世田谷の某所でお見合いよろしくセットアップした土岐さんはふたりが打ち溶け合うのを確認するとただちに普段のペースでウォッカ・ソニックを流し込み続けたと聞く。

サンちゃんとは五十嵐一生とのレコーディングなどで、佐橋とは20年近く前になるが彼がやっていたUGUISUの頃からの付き合いになるが、俺もこのふたりでどう言う世界が展開されるのか予想も付かなかった。
圧巻はふたりのデュオだろう。
佐橋がやっている"山弦"とは一味違う展開に、いつしかこのユニットは"RAG弦"と呼ばれていた。RESPECTあるところに音楽は生まれる。
ふたりが12本の弦で奏でるハーモニーを聴きながら俺は少し嬉しくなっていた。

ふと気が付いてみるとこの日は土岐さんが吹く場面がすごく少ないようだった。
2ndステージに至っては、実に彼は半分しかステージに立っていなかったのだ。
なるほど中日はこういうローテーションになっていたのか。
ベテランは思慮が深いのである。


楽日 CRUISING
このRAGでの3Daysの前に六本木のAlfie、そして長野は飯田のCANVASを終えたCRUISINGとしては、絶好のコンディションでこの日を迎える事が出来たと言えるだろう。
思えば4月にニューアルバムを発売して京都では初公演と言う事になる。
いくらなんでももう少し頻度は多くした方がエエわな、などと思いつつも、楽日が慣れたバンドって事になるとさすがにホッとする。なにしろOne Night Standものはその日のリハが勝負になるわけでそれだけ神経は磨り減る。

バンドでツアーってのはやはりいいものである。
もともと俺はバンドで育ってきた人間だから同じメンバーで、たとえ3箇所だけとは言え色んな土地を回るってのはやはり気分がいい。
移動して演奏するだけでバンドには風格がついてくるのだ、と俺は真剣に信じている。

大盛況だったAlfieでのXmasライヴは土岐さんからの会場に来ていたラッキーな3名へのワインのプレゼントもあった。
初雪だった飯田では久し振りに北斗七星をはっきり拝む事が出来た。
20世紀最後の演奏となるRAGではCDもSold Outし、文字通り美しく締めくくる事が出来た。改めてこのバンドの持つ大きなスケール感を認識した。
こう言うバンドがもっと活躍できるように、俺ももっと頑張らなアカンな。
当たり前の事を感じながら怒涛の3日間は終わろうとしていた。












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