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前日あったRAGでのNORI 413の打ち上げが終わるか終わらないままに俺は京都から服部緑地野外音楽堂に向かった。
ゴールデンウィーク 真っ只中でありながら幸い吹田までは何の渋滞もなくスムースに到着した。が、ここからである。吹田インターの出口から車がピタリとも動かない。仕方ないので守口方面に戻って裏道で服部緑地を目指す。
俺は大阪の道はほとんどナビ要らずだがどうも吹田の裏道は苦手である。結局渋滞は回避できたもののあまり効率のよい道を選択する事は出来ず食事する時間の余裕は無くなってしまった。

会場に到着し、楽屋にギターアンプとターンテーブルを並べ、坂田さん、KG-Kと打ち合わせ兼リハを始めた。
これは
春一番ならではの名物である。楽屋なので大きな音も出せないし、現在のステージでのパフォーマンスもダダ聞こえである。でも俺はそんなどさくさな感じがとても好きだ。これぞ「春一」とばかりにかえって気分が盛り上がる。
坂田さんがホワイトボードに描き出したイラストも交えた構成図をもとに滞りなく打合せを終え、2月の"BON-NO in da HOUSE"以来のこのスペシャル・ユニットは本番を迎えた。

さすがに2度目ともなれば精神的な余裕も大きい。
20分と演奏時間は短いながら今回の方が演奏自体を楽しむ事が出来た。野外でのターンテーブルは日光による熱や、風によるアームのぶれなど不安要素も多かったが、幸いの曇天で心配されたシチュエイションは訪れる事はなかった。考えても見ればKGは
「春一」初のDJとなった。
70年代を代表するこのイベントに遂にHipHopジェネレイションが加わった事に俺は密かにほくそ笑むのだった。さあ、いよいよ次は東京でのステージである。我々は確かな手応えを感じて次へのアイデアを膨らませるのであった。

次の日は石やんとのセッションだ。
今回は大阪出身の二人のインターナショナル・プレイヤー中村 岳、山北健一との4人でやらかす。小編成でかつ、ドラムレスの編成と言うのは実に面白い。ましてや俺のもっとも好きな二人の打楽器奏者と共演できるわけだから楽しくないはずは無い。
リハの時のリラックスした感じ(これも中々気持ちよかった)よりは若干ハイパーなVIBEとなった本番は
"たま"のチクちゃんの飛び入りもあって大いに盛り上がった。ひとり旅の時ともBANDの時とも一味違う石やんを魅了できた。

こうして色んなアーティストと共演するのも「春一」の魅力ではあるが、このイベントならではの素晴らしいアーティストの演奏に触れる事が出来るのも「春一」の魅力の一つなのである。
この日は俺の一番のお目当てである、
カオリーニョ藤原と彼のボサノムーチョ、及びアチャコ一座が登場するのだ。

カオリーニョの唄はこの日も俺の心を串刺しにした。
ホントに彼は短い言葉で真実を唄う天才だ。心に染み入る言葉の連なりが、たまらないコードプログレッションと共に会場を
Peaceで包み込む。芝生に腰掛けた俺はワインをあおりながらじんわり来ていたのだ。

そしてアチャコ一座だ。今回もご自身で作られたあでやかなコスチュームに身を包み、Peaceなメッセイジを訴え続けるアチャやんの姿は俺にとっては
神様に一番近い人間に見えた。
彼は「春一」の3日間、自分のショーをする以外のそのほとんどの時間を舞台の前に作られたお立ち台で踊り、またその傍らに備え付けられたキャンバスに絵を書き続けるのだった。
実際、ステージに立った時、アチャやんが気持ちよさそうに踊ってくれているとこっちまでPeaceな気分で演奏できてしまうのだ。彼が訴えているメッセイジがもっと深く世の中に染み込んで行って欲しいと願うのは俺一人じゃないはずだ。決して忘れてはいけない音楽の持つポジティヴなパワーを改めて実感させられた。

Respect & Peace,

 




東原力哉の突然のリタイヤで急遽Marty Braceyに代役をお願いしたULTRA TRIO(改) のツアーだったが、主催者側の都合もありスケジュールを半分弱にして行われた。

初日は伊賀上野のプラサード。ブルース伊賀の乱でもおなじみの
濃〜い土地柄ではある。
骨折Bros.に迎えられていざ会場に向かう。ここで暮らしている人達の息と汗が染み込んだ壁やフロアからは何故か落ち着いた心地よいVibeが伝わってきた。さすがにタダモノではない雰囲気のマスターは青いイルミネーションも美しいマッキントッシュのアンプの前で、物静かに微笑んでいるのだった。
広いとは言えないステージではあったが、コンパクトなトリオは難なくセッティングを終え、伊賀の乱の実行委員の方が経営する創業200年の「田楽座 わかや」で食事をする事になった。
http://www.wakaya.co.jp/

この「わかや」が半端じゃない。建てかえたとは言え古来の木造建築を忠実に現代に蘇らせており、電気系統の配線までも昔ながらのセラミックを使用したパラレル・ラインが柱に沿って張り巡らされている。大学で建築を専攻していたMartyがすかさずこの建物の素晴らしさに反応していた。
さてここの
田楽であるが、自家製の豆腐が2つずつ2本の串にさされ、特性の田楽味噌を塗られほどよく炭火で香りを立たせてある。実にまろやかな大豆のボリューム感が味噌の甘味とそれが焦げたほのかな苦味とあいまって口の中を満たす。
恐ろしい事にここの
ワインのセレクションも絶妙で、この田楽に合わされるワインはかのロートシルド家のサード・ラベルとでも言うべきMelrotなのだが、これがたまらないハーモニーを醸し出すのだ。ハウスワインのセレクションですっかりご機嫌になってしまった我々はアンティークに納まるグランヴァンには手を出す事無く会場に戻る事にした。
そうそう、もう一言付け加えさせてもらうと、ここの
おからのスムースさには舌を巻いた。ポテトサラダのような洋風のアレンジが施されているのだが、これがめっぽう美味いのである。まさに絹のごとき食感は他では味わえない。通常の豆腐より何度も漉されていればこそのスムースネスは200年の伝統がなせる技なのであろう。

会場に集まってくれた観客のみんなはそれこそ音に飢えているような危機感を持って我々の演奏に相対してくれた。こう言うシチュエイションでの演奏はそうそう出来るものではではない。
準備が十分ではなかった初日とは言え、とてもいい緊張感の中、演奏できた。伝統と共に普通に暮らしている伊賀の人々の
底知れぬパワーに俺達もすっかりいいエネルギーをもらって初日を終えることが出来たのだ。

続いての場所は沼津である。沼津郊外の長泉町にある「しおじ」はこの地でJAZZのライヴが聴ける老舗である。予定より早く着いた我々をオーナーの遠藤さんは箱根温泉へドライヴに連れて行ってくれた。芦ノ湖を巡る道中には歴史のある旅館の目白押しだ。
時間があれば入りたいところではあるが、さすがに演奏前に温泉に浸かってしまうと闘争心は無くなるわ、指は柔らかくなってしまうわでどうしようもなくなってしまうので、残念ながら見てるだけ状態ではあった。もっともKANKAWAがここにいたなら頑として入浴する事を譲らなかった事は明らかだったであろう。

普段はスタンダードを中心にブックしている「しおじ」では若干入りはよくなかったが、
とんでもない客が訪れた。KANKAWAである。
なんでも久々のオフで伊豆の温泉巡りをしての帰り道との事だったが、温泉をはしごして来た後だけにやたら色艶もよく、とにかく絶好調に元気なのである。演奏も終わるか終わらないうちに会場はそのまま宴会場へとセットされていくのだった。鍋をつつきながらKはご機嫌麗しかった。気が付けば既に上半身は裸でいつもの感じで火を噴いているのだった。
これはKANKAWA DRIVEの打ち上げか?一瞬錯覚する状況も最後にKが「しおじ」のママにバラードをプレゼントするこ事で美しく幕を閉じる事が出来た。それにしてもKのピアノソロは俺も初めて耳にした。トテモ美しかった。

最終日は甲府。沼津から甲府へは富士山の東側を通って中央道へ抜ける。
普段富士山は南側を見て通過する事が多かったが、この日ばかりは富士山の普段見ない景色を堪能した。ましては快晴である。日本の中ではあまり見る事の出来ない雄大な景色を眺めながらあっという間に甲府へ乗り込んだ。
熱心なオーナーとスタッフで手作りにされているコンサートはやはり気分のいいものだ。機材も充実しており、音量的にも何にもはばかる事無く思う存分プレー出来る環境だった。
普段は若い世代で埋め尽くされるこの会場もこの日ばかりは年輩の方々がちらほらしていた。NANIWAのファンだった方も数多く、いまさらながらに
このバンドの根強いパワーを感じたりしていた。
オーナーもこのイベントを作るにあたって、もっと大人が普通に音楽に触れる場を提供できないかと言う事を念頭においてプロモートしてきたらしい。
確かに地方では大人が普通に音楽を楽しむ環境はまだまだ普及していないと言わざるを得ないのが現状であろう。こうしたイベントを通じていい音楽に普通に触れる機会が増えていってこそ、文化が育っていくのであろう事を痛感した次第だ。

翌日はせっかく甲府まで来たんだからって事でサントリーのワイナリーを訪ねた。
日本のワイナリーには他にも訪ねた事があったが、やはりここは
スペシャルだった。規模もさることながら、そのきめ細やかな醸造にいたるプロセスは歴史のなせる技であろう。事実ここのワインは世界の舞台でもカナリの評価を得ている。
俺は特にシャルドネが気に入った。
「登美の丘」という\3,000のボトルは見事な出来栄えで、欧米や新世界ものに負けない複雑なストーリーを感じる事が出来た。
それにしても無料テイスティング・ワインのグレードの低さには閉口した。いくら無料とは言え、もう少しマシなのをサービス出来ないものだろうか。日本のワイン文化もまだまだという事か。











WAOOはMONTAが新たにスタートさせるWebの名称だ。自らの欲求に対して正直に生きていくライフスタイルを啓蒙すべく、各界の達人が集う興味深いサイトだ。
ご承知のとおり"Dancing All Night"で一斉を風靡し、今なお一線で活躍を続ける彼にも、POPSTARとして自分を見つめる事すら出来なかった苦悩の日々はあった。
そんな彼だからこそ正直に自分の個性を肯定しながら生きる事をうたう価値があったように思える。

この日のイベントはそのWAOOの立ち上げイベントといった形のパーティーとなった。
ミュージシャン、ラッパー、DJ、ダンサーらが集まり、WAOO精神のもと、自由なパフォーマンスが次から次へと展開された。会場となった新風館はNTTが京都のど真ん中に作ったなかなかクラッシーな商業コンプレックスだ。弥生晴れの昼下がりに会場のパティオはPEACEな空間で満たされた。さすがにこれだけのキャストが一同に会する事もそうそうないので、観客サイドのみならず、出演者達の間でも相当な盛り上がりを呈していた。
こう言う雰囲気で人が集えるのがWAOOの基本精神と言えるだろう。

終演後、このプロジェクトの中心人物であるMONTAは、集客が今ひとつ伸びなかった事を反省しながらも自分のイメージの一部が具現化出来た事に大きな満足感を噛み締めているようだった。
彼のWAOOへのこだわりに嘘はない。事実彼はたとえリハーサルの時でさえ、ある種のフィーリングをキャッチ出来ない限り決して唄おうとはしないのだ。一言で気持ちに素直になるとは言っても、それは簡単な事ではないのだ。ただしそれを徹底すればこそ得る事が出来るものがあるのも事実である。
そんなMONTAのVIBEに引き寄せられてこの日参加した連中が集結する事によってやがて新たな未来が生まれて来るのだろう。

「次ぎやる時は全国からラッパー100人集めて100人ラップや!」 WAOOの主の気炎はますますボルテージを増していくのだった。







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