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今回のツアーは中村建治の都合がどうしてもつかなかったので、Rogerとトリオで演奏する事になった。そこでゲストに石やんお気に入りの三宅伸治に加わってもらう事になった。二人のシンガーがいる事は楽しみも倍増すると言うものだ。

11/11 Global Peace Dayにリハーサルは行われた。最初は久々のトリオでの演奏に石やんもいささかナーバスになっていたようだったが、特に彼の最近の作品に関してはトリオでのラフなサウンドの方がよりよい結果を生み出す可能性が見えてくると、徐々に緊張は取れ、新鮮な気分でどんどんリハーサルは進んだ。

前半はトリオでの演奏、中盤から伸ちゃんが加わる。石やんも参加している伸ちゃんのアルバムから何曲か演奏する。彼の唄は明らかにこのトリオに新鮮な息吹を与えてくれた。

初日は吉祥寺Star Pine's Cafeだ。今回は年末から予定されている石やんの新しいアルバムを制作するレコード会社のスタッフも会場に来ていた。リハーサルで十分に手応えは感じていたが、本番では更に鮮度が増して感じられた。

もはやベテランと言える石やんだが、音がますます若返ってきているのは興味深い。それはもはや今までの石やんのファンが求めているものを越えて来つつあるのかも知れない、なんて感じてしまうほどフレッシュさに満ち溢れているのだ。

伸ちゃんとは何度かご一緒したことがあったが、こう言うきちんとした形でライヴするのは初めてだった。俺自身も彼の魅力に日に日に惹かれて行っているのがひしひしと感じられた。繊細なセンスの中に何か一本強い筋が通っているような不思議な魅力にあふれているのだ。

二度目のアンコールで石やんは伸ちゃんと二人でイマジンを唄った。詩は石やんによって見事に日本語にされている。本当に石やんはカバーの曲に見事に日本語を乗る。あたかも石やんが作ったかに錯覚させる技は詩人、石田長生の本骨頂といったころだ。

二日目は大阪BigCatだ。早めに東京駅に着いた俺と石やんは大丸地下食料品売り場で弁当を探す事にした。ここの食料品売り場はなかなか充実していて、ワインセラーと隣接する弁当売り場では、それこそありとあらゆる種類の食事のセレクションが出来るのだ。フラフラ探していると金髪の怪しい人物が弁当を買っていた。どうやらRogerも同じ作戦に出たみたいだった。

東京を離れた新幹線に伸ちゃんの姿はなかった。乗り遅れたようだと諦めかけた頃に、いつもの穏やかな笑顔で現れた滑り込みセーフの伸ちゃんと共に大阪へ向かった。大阪でも石やんは突っ走っていた。伸ちゃんもかなりリラックスして来たみたいで、俺たちは演奏を積極的に楽しめるようにすらなってきた。楽しめば楽しむほど、俺の中にこの音楽をもっと若い世代の前で演奏したい、という衝動が抑えられなくなってきた。新しいレコーディングがますます楽しみになって来るのだ。

最終日は松阪のM'AXAだ。石やんの"一人旅"を仕切っている中山剛の店だ。ここばかりは石やんもホームに帰ってきたような安堵感を漂わせるのだった。この日は石やんのMATCHLESSに変わる新兵器となるBADCATのアンプが届いていた。伸ちゃんも交えてしばしギターアンプの試奏会となったわけだが、このBADCATがなかなかよい。基本的にMATCHLESSに近いキャラクターだが、40Wバージョンのはよりボトムの効いた"鳴ってますぅ〜"的サウンドが印象的だった。

この日は松阪が誇るブルース・ギタリスト、河内博も加わってのGigとなった。Super400をゲットしたばかりの河内は終始ご機嫌だった。彼のデカイ身体にはホントにSuper400がよく似合う。大きな身体と大きなギターから飛び出す、スピード感に満ち溢れたブルーノートの数々はいつもの事ながら気持ちよく俺の心に突き刺さった。

松阪と言えば牛肉
だ。狂牛病と言えどホルモンだ。俺と石やんは翌日中山夫婦と共に、焼肉屋"一升瓶"を目指した。とにかくここの頬肉が絶品なのだ。松阪の牛は伊達にビールを飲んでるわけじゃあないのだ。適度に脂がさした柔らかい肉がこの地域特有の八丁味噌ベースのもみだれでやさしく包まれている。炭火であぶるようにしていただく歓びはここ"一升瓶"ならではのものなのである。

この日は肝のコンディションも絶妙でまさに餅肝というべき代物だった。網に残ったホルモンは白飯を頼んで平らげるわけなのだが、この銀シャリがまた抜群に美味いのもここ"一升瓶"の素晴らしい所だ。そうそう、ここで食べる時には"梅割り"をお勧めする。焼酎に梅干が入っているのではない。焼酎の梅酒割りなのだ。少し甘めのこのMIXと八丁味噌のハーモニーを楽しんで欲しい。

文句無しのランチを終えて石やんが一言いった。 「なんか今日は東京に帰る気せえへんな。」大阪で打ち合わせが待っている俺は後ろ髪を引かれる思いで松阪を後にしたのだった。


 













RAG名物とも言える異種格闘技的セッション、今回は渡辺香津美、松原正樹、山本恭司のタイプの異なるギタリスト3名を俺とMartyが迎え撃つと言った形になった。こう言ったトリプル・フロントのセッションは土岐英史の得意技ではあったが、香津美さんもその昔、石田長生、山岸潤史と共に"勉強トリオ"なるユニットで活躍していた時期もあったのだ。

まず香津美さんとのトリオで演奏は始まった。夢乱のテーマでもお馴染みのベンチャーズの名曲
Walk Don't Runのカバーを演奏する時はやはり感慨深いものがある。番組も6年半もやっていると生活の一部になっていたような気がする。香津美さんは俺も最近使っているLoop Stationをゲットしたみたいで、巧みにセルフ・ループを作っては色々な世界をちりばめてくれていた。

本当に彼の音楽に対する吸引力は桁外れである。とにかくあらゆるスタイルの音楽が彼のギターを通して具現化される。
ギター曼荼羅とでも言おうか、どんな音楽でも彼の手にかかれば渡辺香津美になってしまうのは爽快感すら覚える。

続いて松原正樹さんが加わった。彼のオリジナルは実にメローでスムースである。カナリの勢いで俺の好みだったりするのだ。譜面づらを見ているだけで何を弾くべきか明快に見えてくるのだ。
エフェクターの名手と言われた彼も最近は男のケーブル1本接続に興味が増してきたと言う。年季の入ったGROOVEは最上級の温泉につかっている気分にすら匹敵する。

2部は渡辺香津美、山本恭司のデュオからのスタートだ。曲はなんとアベ・マリア。これがまたエエ味、出てる。ホンマに恭司くんのトーンには
惚れ惚れする。
甘く、太い音色は彼の指とアームで変幻自在に全ての瞬間にわたって見事にコントロールされている。
今回彼は
真空管のイルミネイションも美しい、ヒューズ&ケトラーのアンプは持参していなかったが、それでもいつもの彼の音がしているのは見事だった。もちろん、足元にはヒューズ&ケトラーのドライバーに微かに真空管が輝いていたわけだが。

最後は三者入り乱れての往年のロック名曲シリーズとあいなった。
中学、高校時代に聴き倒してた名曲の数々を名人達と演奏する歓びは格別である。
これらの曲をMartyはシカゴで聴いていたのだろう。

高々半世紀にしかならない歴史を持つエレクトリック・ギターと言う楽器を、その歴史と共に歩んできた職人達と眼一杯かき鳴らした
饗宴は演奏が終わってもまだまだ終わる気配はなかったのだ。

この日のレポートはglobal-artist.netにもアップされている。
http://www.global-artist.net/lr0110/0110rag.htm







札幌の虎ことMASAが逝ってしまって1年が過ぎた。
彼との付き合いが始まったのはNANIWAで初めて札幌に行った時からだから18年ぐらい前だったろうか。
それからと言うもの彼はかたときも
JackDanielsのボトルを離す事無く、美しくも漂っていた。

ベロベロに酔っ払って俺達のステージに上がってきた事、札幌の短い夏のひとときに一緒にビーチで酔いつぶれてくたばった事、彼の店
SoulCopの片隅で三角座りで眠りについていた事、DJブースでMotherEarthをかけながら涙しつつも絶唱してた事、ChickenGeorgeの世紀の千円ジャンケンで50万円をゲットした時の事、通天閣の中にあるカラオケスナックで"悲しい色やね"を絶唱した事、などなど、本当に色々な想い出に包まれながらも俺はKANKAWAと空路札幌に向かった。

新千歳空港にはMASAの兄貴分とも言えるDJ SUPERFLYことNORIさんが山ちゃんを従えて迎えに来てくれていた。
早速会場に向かい今回のイベントの主催者であるMASAの主治医だった獣医の三国と簡単に打ち合わせをしてるとスタッフが手作りのおにぎりを持ってきてくれた。これが筋子の
おにぎりなのである。北海道に来た事を実感出来るウレシイ瞬間である。

地元のメンバーとサウンドチェックをすませ、俺達はNORIさんに案内されてジンギスカンをぶち込みに行くことにした。創業四十有余年という"だるま"は他の店とは違い冷凍ものじゃなくて
生ラム肉を使っている。これがやたらに美味いのだ。ジンギスカンは何度も食べた事があるが、これだけジューシーで歯応えもしっかりしているのは初めてだった。
まわりに乗せた野菜にこの肉汁がウマイ具合に染み込んで、これまた格別な旨みを醸し出すのだ。

圧巻は仕上げだ。お椀に残った付けだれに残った野菜をほおり込んで熱い
番茶を注ぎ込むのだ。 この番茶スープの美味さといったら半端じゃない。ラムの持っている脂分が番茶の渋みと見事に溶け合って素晴らしい世界が展開される。いやはや素晴らしい経験をさせてもらったものだ。

これだけ楽しんでも時間はまだ午後7時だ。一休みすると言うKをホテルに残して俺達は会場に向かった。時間も時間なのでまだ客足は遅いようだが次々に懐かしい顔が現れる。ほとんど札幌のすべてのDJが集まってくるのではないだろうか。会場は途切れる事無くご機嫌な音楽で満たされているのだった。
もちろんテーブルにはJack Danielsも用意されていたが、これはライヴが始まるまでは封印される事になった。なにしろ長丁場である。今から飛ばしてしまうと後が大変なのだ。想い出話に花を咲かせているうちにいつしか会場は満員になっていた。
10時を過ぎる頃になっていよいよKをピックアップしてライヴの始まりだ。さすがにKはこう言う時も手を抜かない。フルオプションのコステュームに
クレオパトラ帽での登場だ。会場の空気は一気に頂点を迎えた。 何曲か演奏していよいよホーンセクションも加わってのクライマックスだ。Funky Stuffの後半で俺は無性にMASAの名前を叫びたくなった。やがて会場全員での大合唱となった。 みんなの心の中に生き続けているMASAが1本の柱になって俺の心を貫いた気がした。

一足先に秋に突入した札幌を、MASAが与えてくれたPEACEがやさしく包みこんでいた。 得がたい時間を経験できた。

Thanx Bro. U always be around,
Peace,













UP